791368 / 小路浩二 + 五六四〇
コールド・ゴールドその金塊は
ほかならぬわたし
つめたくかがやく
強欲の証
ねがっていた力を
手に入れた
すべてを黄金に
変える力を
娘はよろこび
金をほしがった
ふれれば彼女も
つめたい金塊になった
たべものも水も
黄金となり
呪いと気づいたときには
もうおそかった
やがて自分自身におそれ
呪われた手で頬にふれた
そうしてわたしも
つめたい金塊となった
価値あるものを
ふところに入れれば
おおきな穴への
くらい道がひらく
わたしを手に取るために
ふところをひらく
あなたにはみえないのか
その穴へのいりぐちが
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