Ver. 3.25
(Aug 2024-)
orpheus2024a
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自動作曲システムOrpheus(オルフェウス)
東京大学で開発された自動作曲技術の無料公開実験システム(2006年開始)
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待つ間に ... クイズはいかがですか?
この二人は誰と誰?
この二人の関係は?
この男性の背中に半分隠れている楽器は何?
彼はなぜ女性から顔を背けているの?
解答は ...
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このシステムの名 Orpheus (オルフェウス) の由来:
Orpheus(古希: Ὀρφεύς オルペウス, Orpheus オルフェウス、仏: Orphée オルフェ))は、ギリシア神話に登場する吟遊詩人・竪琴の名手の名前です。
愛する妻 Eurydice(エウリュディケ、伊:エウリディーチェ、英:ユリディス)が毒蛇に噛まれて死んでしまったのを悲しみ、冥界へと連れ戻しにゆきます。途中で何度も阻まれますが、その度に切々と歌い奏でる音楽に、地獄の番人たちは感動してオルフェウスを通してやり、オルフェウスはついに黄泉の国の王のハディスに会うことができます。死者の蘇り(黄泉帰り)を許さないハディスも、彼の音楽に心を打たれ、ついにエウリュディケを連れて帰ることを許します。
ただし、その条件は、地上に帰るまでは決して妻の方を振り返ってはならない、というものでした。手を引き、足音は聞こえるものの、本当に妻がついて来ているのか、あと一歩のところで不安に駆られたオルフェウスは、ついに振り返ってしまいます(グルック作のオペラでは、エウリュディケが「なぜ私を見ないの?」と泣き縋るので)。それを最後に、妻の姿は掻き消すように永遠に失われたのでした。これが、有名なオルフェウスの冥界下りの神話です。日本のイザナギ、イザナミの伝説に似ている点も興味を持たれています。
この自動作曲プロジェクトでは、そのような伝説のオルフェウスを目指して、自動作曲するシステムを開発しました。いまだに研究途上ですが、研究が進んでいつか本物のオルフェウスに近づきたいものです。
オルフェウスとエウリディーチェの物語は、グルックのオペラでも有名です。 その中の「精霊の踊り」は、死んで冥界に行ったエウリディーチェを、シャンゼリゼ(エリゼ原:極楽浄土)で精霊たちが迎える場面のフルートの名曲です。(パリ随一の通りが「極楽浄土」とは思いつきませんよね)。 オッフェンバックの「天国と地獄」はそのパロディ喜劇です。その中のカンカン・ダンスは(運動会で必ず聞くくらい)有名ですね。さらにアカデミー賞映画「黒いオルフェ」はそれを現代のブラジルに移した話です。
ちなみに、当研究室の自動伴奏システムは
Eurydice
(ユリディス:英語読み)という名です。ピアノ奏者がピアノパートを弾くと、オーケストラ音がぴったりとついて来るシステムで、一人でピアノコンチェルト演奏を楽しめます。しかし、振り返ってはなりません。振り返ったら、架空のオーケストラの姿は消えてしまうのです。
さらにこの話には続きがあります。妻を失ったオルフェウスは女性との愛を断って「オルフェウス教」(輪廻転生、禁欲的な道徳律が特徴)を広めますが、ディオニソス神の怒りを買って、マケドニアで女たちに八つ裂きにされて河に投げ込まれ、首と竪琴がレスボス島に流れ着き、それが天に挙げられて、星座の「こと座」(Lyra)となりました。
オルフェウスの冥界下りで3ッ頭の番犬ケルベロスに阻まれたとき音楽で眠らせましたが、ハリーポッターでも同じ場面がありますね(ハリーポッターはそういう古典知識が詰まっているから深いのです)。また、レスボス島からはレズビアンと言う語も生まれ、今やLBGTQの一つになっていますね。ギリシア神話はあらゆる分野に影響を与えています。
というわけで、クイズの答えは:
この二人は誰と誰? → オルフェウスとエウリュディケ
この二人の関係は? → 夫婦
この男性の背中に半分隠れている楽器は何? → 竪琴
彼はなぜ女性から顔を背けているの? → 死んだ妻を黄泉の国から連れ戻すには、顔を見ないことが条件だったから
でした。
車田和寿氏による丁寧な解説:
【ギリシア神話とクラシック音楽①】オルフェオとエウリディーチェ!作曲家に最も人気の物語とは?名曲も紹介!
もご覧ください。