658612 / 梟/五六四〇
灯す僕の背骨がへし折れてから
1年が過ぎた頃の事
モニター越しに眺めるのは
拳を上げる人々
皆が抱えていた夢の話が
ポケットから落ちちゃった
きっとまた悪い誰かが
掠め取ったのかもしれないね
ドアに向かって人々は叫ぶけど
門番達はそれを無駄だと言った
ここに立っている以上彼らの義務は
ドアを開けることにあるのだから
腕を上げ続けて疲れた頃
「開けゴマ」と門番達が言う
その前から差し込んだのは
巨大な炎の光
熱さのあまり車椅子から転げ落ち
地面を這って炎の方へ行く
まだ僕のトーチは小さいけど
火は点けられそうだと思う
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