634325 / 梟
イン・ザ・ケージ【前奏】
その音のない空間は
一つの色で隔たれて
薄く消えかかる体に
安寧をもたらしていた
居場所を求めた先の
最終地点がここにある
しつこく耳に付き纏う
何物かには気付かずに
それから後で
僕は気付いた
耳を今まで塞いでいたのは
僕の手のひらだったんだ
【間奏】
【間奏】
「出来ない」と放り投げた
紙屑の山が煌めき
鏡に映った僕の手を
思いきり振り払った
そしてその空間は崩れ
辺りには何も無くなった
空の方を見上げれば
三日月が一つ浮いていた
【後奏】
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