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592831 / こと 
 浅い海砂丘にある駅舎には
 
既に水上列車の姿があった
 
森を抜けるのに
 
気の遠くなるような時間を費やした 
 
足を引き摺るように
 
列車に近づき扉を開ける
 
席に着き窓を開けると
 
潮の匂いが強くなった 
 
汽笛が鳴り浅い海へ
 
車両がゆっくりと滑り出す
 
速度を上げた列車は
 
水飛沫を上げ疾走する 
 
蓄積された疲労に
 
すぐさま眠りに引きずりこまれる
 
いつか聴いた事のある歌声が
 
酷い雑音に変わる 
 
あっけないものだった
 
教室の一番後ろの席
 
教師に叱責される僕がいた
 
あぁあぁ帰ってきた 
 
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