579699 / 朝泡鈴菜
午後8時の秘密基地僕らが秘密基地にしている
夜の公園は
君以外誰もいなくて
僕は唾を飲み込んだ
ぞっとするほど美しい
月が今夜の空の
王様になっていて
君は月を一心不乱に眺めていた
僕の足音がこだまして
やっと君は僕に気づいた
君は今まで見たなかで
一番綺麗な顔をしていた
招き猫のように僕を手招きして
僕の耳元でそっとささやいた
それは君が大事にしていた
とても神秘的な秘密
君の息が僕の頬にかかった
僕の息も君の頬にかかった
僕はちょっとだけ
胸の高鳴りを感じていた
「そんなに照れないでよ」
そう言った君も
耳まで赤くなっていた
上を見ると月が笑っていた
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