312229 / zAsso
対岸の民家対岸の民家が燃えている
以前より 勢いを増して
弱まる頃合いを見計らっていたのに
天を仰ぐ
現実は最大限の防波堤をも越えて
胸を突き刺す
神は時に 非情な采配を下す
僕は水になれない
油になるだろう
剣は宙に舞い
川は赤く染まる
対岸の燃えている民家を
遠くから眺めている
映りだした風景は
美しさを帯びた
【間奏】
僕は優しくなれない
鬼と化すだろう
ポイント稼ぎの
見え透いた下心
公平を平等にすり替えて
勤勉がバカを見る
仕切られた籠さえあれば
生きてゆけるのに
合理性と世間体が喧嘩して
いつもと同じ押し問答
壊すことで新しい価値を見い出せるのに
対岸の燃えている民家は
僕を求めていない
沈みゆく太陽を背に
一人 歩き出す
【後奏】 |
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