277117 / 清流さん
悲しみスコール更地となったバラック跡 草原と化す国鉄の線路
歪んだレールの上を走る 異国から来た通勤客車
遠方に聳え立つ摩天楼 周囲を見渡せば汚い雑踏
開かれた露店のパラソル 唸るバイクのモーター
道を埋め尽くすジプニー達 テールライトが光る
交差するコンクリート高架橋 走るのは高価鉄道
曇天の雲が街を覆いだし 天空を鉛色に染め上げ
スコールを降らし 今日もこの街を濡らしていく
鈍間な列車の警笛がスコール降る街に鳴り響く
そんな列車を横目に見ながら濡れる草の上を歩く
降り注ぐスコールの降る暗い空を見上げ思い出す
あの時出会った異国の少女との記憶を思い出を
あなたに逢いたいよ
この街からこの国から抜け出して
あなたに逢いたいよ
あなたが住む国へあなたの住む街へ
もう一度逢いたいよ
もう一度二人でバナナを食べたいよ
もう一度逢いたいよ
二人でスコールの下を走りたいよ
でもそんな事出来ないよ
私にはこの国を出るお金が無い
貧しい生活を繰り返し
大海を知らずこの地で果てるのみ
止もうとするスコール
しかし空を見上げても青空は無い
鈍間な電車の警笛が
虚しくこの街と鉛色の空に響く
|
■コメント追記は登録者のみ |