「イチローにはなれるかもしれない。」 我那覇響
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あれだけ細くて、誰よりも
活躍できている。
おれは小さい体だからと、
どこかであきらめてる。
こんなんじゃ、ダメだって、
勇気をもらった。
今のおれにはそんなこと、
絶対に言えないけど、
何も知らない中学生だったおれは、
イチローにできるんだから
おれにもできるって、思った。
見た目だけの判断
だったのかもしれない。
あんなに体の細いイチローにできる。
体のでかいピッチャーを倒せる。
ヒットや ホームランをいっぱい打てる。
まるで、スーパーマンじゃないか。
昼には普通のサラリーマンなのに、
いきなり夜はとんでもなく強い。
イチロー選手を見たとき、
そう思った。
こんな細い体で打てるわけがないのに、
なぜ誰よりも打てているんだと、
イチロー選手を見たとき、
本当にそう思った。
♪
おれもスーパーマンになりたい。
おれ、体ちっちゃいけど、
イチローみたいに
なれるかもしれない。
おれの脳みそがそう言ってた。
清原みたいにはなれない。
でも、イチローには
なれるかもしれない。
おれの脳みそがそう決めたんだ。
イチロー選手が打てるんだから、
おれも打てるかもしれない。
本気で思ったのは
おれだけじゃないと思う。
おれはそういういっぱいいた
野球少年のうちの一人だった。
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